平成26年の風は吹き納めです。

(空港第1ターミナル北ウィング)
そう言えば、
どこにでも派手なクリスマスツリーが置かれるようになったのは
いつ頃からでしょうか?

(空港第2ターミナル出発ゲート前)
夜中にこっそり煙突から入っていたサンタクローズが
日中に堂々と人前に現れるようになったのは
いつ頃からでしょうか?

(さくらの山散策路)
師走の夜にはイルミネーションが定番となったのは
いつ頃からでしょうか?

(成田山釈迦堂前)
成田山ではもう初詣の準備が始まっています。

(空港第1ターミナル)
帰ってきたのか、訪ねてきたか、
どことなくせわしなく見えてしまう師走の空港です。



成田山の「歳末助け合い運動」は
寒風の中でのお坊さんの托鉢行列です。
師走の風のように結構早足で表参道を歩きます。


(空港第1ターミナル屋上)
師走の北風は、遠く筑波の峯を見せてくれます。
冷たく強い風が澄んだ空気を運んでくれる
冬の風物詩です。



この季節は、夕焼けも何となく赤くは焼けきれません。


滑走路を吹き抜ける師走の風は
良いことも悪いことも
思い出の国へ連れ去って行きます。

(日本寺)
木の実に吹きつけ磨いても
残るは鳥も食わない渋柿ばかり

(赤坂公園)


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落ちた枯葉がただ吹き寄せられる

(ウィング土屋)
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はためく店先の幟を見れば
書かれた文字は気の早い来月、再来月・・・



風に乗るのはジングルベル


野良猫たちも 水鳥も
薄い日差しを求めて
寒風を避ける


(根木名川土手)
飛行機雲は 遠く高く 西へと流れ去り


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深紅に染めた夕焼けも
せわしなく色あせて行く
桜舞散る春の風 新緑に吹く薫風 入道雲に潮風・・・
季節の風にはそれぞれの代名詞
そして 十一月の風の代名詞は 「木枯らし」・・・
十一月の風は 一年で一番寂しい風
もくもくと青空を昇り
刻々と姿を変える入道雲
なぜか不吉な予感がした

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夏の空はにわかにかき曇り
屋根を叩く激しい雨音とともに
湿った風が吹き抜ける
雨に叩かれ舞い上がる
乾いた土のにおいがする
蚊取り線香が匂う夜
蚊帳の中で 遠くの音を聞く
あれは花火かカミナリか・・・


印旛沼の花火


ざわつく心を抑えかね
寝巻のままで縁側に
昨日の残りの線香花火

ちょっぴり涼しい夕暮れの風が
軒先の風鈴を鳴らす
音で感じる八月の風だ




蝉が短い命を燃やし
トンボの尻尾は赤くなる

多古の稲田
さわさわと稲穂をゆらし
畦を流れる八月の風は
むせかえるような草の匂い
トリモチ塗った竹の棒
収穫なしの帰り道
暑くて重い八月の風
思い出のかけらを運ぶ八月の風

7月の朝は朝顔から始まります。

埴生神社 朝顔ほおずき市


ほおずきも色づいています。

早朝の成田山の境内を流れる風も、間違いなく夏の風です。
それは、そよとも吹かぬ凪のようで、
それでもかすかに動く風。
風がじわりとまとわりつく7月の朝。

東参道保目神社付近


ムクドリも涼を求めて寺台の林と根木名川を往復しています。

寺台城址への山道で
羽黒トンボが蝶のような羽ばたきで飛んでいます。

寺台河岸付近
蝶も忙しく蜜を求めて飛び回ります。



成田公民館
ツバメは巣離れの時を迎えています。
親鳥は巣の周りを飛び回るだけで、子ツバメには近づきません。
軽快な身のこなしで飛ぶ親ツバメの、羽根が切る風の音が聞こえそうな気がします。
焦る子ツバメはだんだん身を乗り出し巣から落ちそうです。
明日にはこの巣から子ツバメの姿は消えていることでしょう。

ゴーヤも実を付け始めました。
生い茂る葉の作る日陰には、涼しい風が流れます。

強い日差しが射すまでのはかない命ですが、
7月の風が吹く場所には朝顔が似合います。

紫陽花が咲いています。

多古町 栗山川べり
多古町の栗山川の土手にはたくさんの紫陽花が植えられています。
毎年6月にあじさい祭りが「道の駅多古」を中心に行われ、今年は22日(日)に開催されました。

田んぼの稲もちょっと背が高くなりました。

蛙や田螺もこの季節を待ちかねていました。




多古・栗山川
雨上がりの六月の風は
しっとりとした空気の中に
近づく夏の熱気を込めた
川面を流れる風

雲が垂れこめ、雨がぱらついてきました。
六月の空は気まぐれです。

空港の滑走路も雨で霞んでいます。

心なしか離陸も重たそうです。



足元の水たまりに何か映っています。

さくらの山
今飛び立った飛行機です。
こんな角度で飛行機を見たのは初めてです。

雨に濡れて紫陽花の花も一段と鮮やかな色に見えます。

成田山の上空もどんよりとした雲が垂れ込めています。


成田山三学院前
通る人も無い裏道に、精一杯紫陽花が咲いています。
誰も見ていなくとも、毎年繰り返される営みです。

雨の六月の風は
雨垂れのなかに
初夏の薫風が絡む
伽藍の屋根を濡らす風

まだしばらく雨は降りつづきそうです。
「三里塚街道を往く」を1回お休みして、
“五月の風”を探しに出かけます。

10日ほど前から田植えが始まりました。
多くの田んぼが既に田植えを終わらせています。

一面に水をたたえた田んぼが広がります。
ここは、成田市に隣接する多古町の田んぼです。
全国にブランド米として知られる「多古米」が、この田んぼから生まれます。

作業が遅れ気味の田んぼにも田植え機が入って急ピッチの作業です。

機械が入れない小さい田んぼでは手植え作業です。

畔に下りておたまじゃくしを探しましたが、見つかりませんでした。
さすがにまだ早いのでしょうか?
カエルの声はもう聞こえているのですが・・・

空港近くの畑でも種まき、植え付けが終わり、
むき出しの土は少なくなっています。
菜の花の向こうに空港の管制塔がかすんで見えています。

荒海川(あらうみがわ)が根木名川(ねこながわ)と合流し、
並行して十日川(とおかがわ)が流れる、荒海・長沼地区に回ってみました。

こちらもほとんどの田んぼが田植えを終わらせています。
写真を撮った時は気付きませんでしたが、田んぼの向こうに見える
小高い丘は長沼城址のようです。
いつか訪ねてみたいと思います。

荒海川にかかる地蔵橋のたもとにお不動様が立っていました。
側面は風化して文字は読み取れませんが、
正面の「成田道」の文字はしっかり残っています。

道の反対側には小さな道祖神やお不動様、お地蔵様が並んでいます。
どれも文字は消えてしまっています。

土手の下には「荒海子育て地蔵」が立っています。
台座には「三界萬霊」とあり、文化八年の文字が読めます。
何十本もの紐のようなものが掛っていますが、家に帰って調べたところ、
子が欲しい女性がこの紐を抱いて寝ると、子が授かるとの言い伝えがあって、
子を授かった女性は、今度はもう一本紐を縫って借りた紐とともに
このお地蔵さまに掛けるのだそうです。
たくさん掛っているということは、さぞかしご利益があるのでしょう。
さて、五月の風を探しながら、何かが足りない気がします。

そう、五月と言えば「鯉のぼり」です。

やっと見つけました。
風に舞う「鯉のぼり」は、五月の風そのものです。
最近はめったに「鯉のぼり」を見ることがなくなりました。
都会化と少子化の影響でしょうか?

夕暮れ近く、少し赤みがかった陽を受けて、まぶしく光る田んぼ道を
戻りながら、思い出しました。
「鯉のぼり」がたくさん集まっている所を。


さくらの山の駐車場です。
谷間になっている遊歩道側から吹き上げる風に
悠然と泳いでいます。



でも、やはり「五月の風」は、
田んぼの水面を吹き抜け、
新緑の木の枝を揺らし、
そして、庭先の鯉のぼりを泳がせる、
風ですよね。
※次回は「三里塚街道を往く」に戻ります。