「三里塚街道を往く」を1回お休みして、
“五月の風”を探しに出かけます。

10日ほど前から田植えが始まりました。
多くの田んぼが既に田植えを終わらせています。

一面に水をたたえた田んぼが広がります。
ここは、成田市に隣接する多古町の田んぼです。
全国にブランド米として知られる「多古米」が、この田んぼから生まれます。

作業が遅れ気味の田んぼにも田植え機が入って急ピッチの作業です。

機械が入れない小さい田んぼでは手植え作業です。

畔に下りておたまじゃくしを探しましたが、見つかりませんでした。
さすがにまだ早いのでしょうか?
カエルの声はもう聞こえているのですが・・・

空港近くの畑でも種まき、植え付けが終わり、
むき出しの土は少なくなっています。
菜の花の向こうに空港の管制塔がかすんで見えています。

荒海川(あらうみがわ)が根木名川(ねこながわ)と合流し、
並行して十日川(とおかがわ)が流れる、荒海・長沼地区に回ってみました。

こちらもほとんどの田んぼが田植えを終わらせています。
写真を撮った時は気付きませんでしたが、田んぼの向こうに見える
小高い丘は長沼城址のようです。
いつか訪ねてみたいと思います。

荒海川にかかる地蔵橋のたもとにお不動様が立っていました。
側面は風化して文字は読み取れませんが、
正面の「成田道」の文字はしっかり残っています。

道の反対側には小さな道祖神やお不動様、お地蔵様が並んでいます。
どれも文字は消えてしまっています。

土手の下には「荒海子育て地蔵」が立っています。
台座には「三界萬霊」とあり、文化八年の文字が読めます。
何十本もの紐のようなものが掛っていますが、家に帰って調べたところ、
子が欲しい女性がこの紐を抱いて寝ると、子が授かるとの言い伝えがあって、
子を授かった女性は、今度はもう一本紐を縫って借りた紐とともに
このお地蔵さまに掛けるのだそうです。
たくさん掛っているということは、さぞかしご利益があるのでしょう。
さて、五月の風を探しながら、何かが足りない気がします。

そう、五月と言えば「鯉のぼり」です。

やっと見つけました。
風に舞う「鯉のぼり」は、五月の風そのものです。
最近はめったに「鯉のぼり」を見ることがなくなりました。
都会化と少子化の影響でしょうか?

夕暮れ近く、少し赤みがかった陽を受けて、まぶしく光る田んぼ道を
戻りながら、思い出しました。
「鯉のぼり」がたくさん集まっている所を。


さくらの山の駐車場です。
谷間になっている遊歩道側から吹き上げる風に
悠然と泳いでいます。



でも、やはり「五月の風」は、
田んぼの水面を吹き抜け、
新緑の木の枝を揺らし、
そして、庭先の鯉のぼりを泳がせる、
風ですよね。
※次回は「三里塚街道を往く」に戻ります。