10本ほどある小さな川の中でも
代表的なのは根木名川(ねこながわ)です。
富里市の根木名から成田市内を流れ、取香川、荒海川等の支流と合流し、
利根川に注ぐ、全長17.7kmの川です。

小さくても1級河川です。
国道51号線沿いの根木名川は遊歩道が整備され、
市民の憩いの場になっています。

朝夕は犬を連れての散歩をする人が多く見られます。
目線の先を着陸態勢に入った飛行機が見えるのも、成田らしい風景です。
土手には土筆が頭を伸ばしています。
春の息吹が足元に感じられます。

昔から度々氾濫を繰り返し、護岸工事が何度も行われてきました。
自然と調和する護岸工事の川辺には自然の優しさがあります。

対岸に渡る飛び石風の橋がありました。
楽々渡れそうですが、しっかり歩かないと落ちそうな気がします。
落ちても深さはせいぜい膝の下あたりですが・・・

51号線沿いには如何にも成田山の街らしい小さな橋もかかっています。
朱塗りの欄干が水面に映えて楽しく渡れそうです。

ようやく桜もほころび始めました。

遊歩道の終りの寺台には、昔、水運の要として河岸が作られ、隆盛を誇ったそうです。
街は川を中心に開かれて行きます。
自然がいっぱいで水のきれいな根木名川をいつまでも守って行きたいですね。
※根木名川遊歩道
JR、京成成田駅東口から国道51号へ。
徒歩約10分。
51号の成田橋のたもとに、市営の駐車場があります。(1日400円)
成田山を挟んで成田駅の反対側(イオンモールのある方向)から
車で入れます。
表参道は土日には車で入れませんので、新勝寺のすぐ下まで入れる
この道は便利です。

駐車場から上り坂を1分も登れば大本堂の大屋根が見えてきます。
坂の両側には大小さまざまな寄進者の石碑が林立していて、
「金壱百円」とか「金壱萬円」とか、彫られている文字を見ると時代を感じます。
一つ一つ読んでいったら1時間はかかりそうです。

円形の広場を囲むように土産物屋や占い部屋が並んでいます。

早朝のせいか15、6軒が並ぶ占い部屋はまだほとんど開いていません。
日中は人気のある占い師の部屋の前には行列ができています。
聖天堂、釈迦堂(安政の本堂)の前を通って大本堂へ。

見慣れた大本堂ですが、正面から階段を上って見たいつもの姿とは違う感じがします。
こんなにシンプルだったのか、とあらためて驚きます。
屋根やひさしに装飾らしきものが見当たりません。
質実にして雄大なその姿は、まさに成田山新勝寺そのものです。

たまたま千葉県の消防団の集会に出会いました。
揃いの法被に鉢巻きをした男たちが表門から、裏門から、
続々と集まってきます。

居合わせた外人さんが興味深げに遠くから眺めています。
日本の伝統的な風物はどのように映っているのでしょう。

正月には表参道から境内まで人の波が押し寄せ、
その全容を見る機会も余裕もありませんが、
参拝客の少ない早朝に訪れた大本堂は、荘厳な雰囲気で圧倒してきます。

成田山にお参りする次の機会には、
表参道側から総門から仁王門をくぐり、大本堂を見上げてみたいと思います。

帰りの坂道で散り残った梅の花が目に入りました。
満開はとうに過ぎてもなお、ほのかな香りを漂わせる梅の木にも、
お不動様に手を合わせた後では、何かご利益がありそうで、
そっと頭を下げて通り過ぎました。
※成田山裏門
駐車場があり、車で本堂の傍まで行けます。
東関道成田インターを降りて295号線を成田市街方面へ、
道なりに408号線に入りイオンモールを右手に見て「成田山裏門入口」を
左折。約1.5キロ程度で左側に駐車場。(600円)
イオンモールから徒歩で約20分。京成成田駅西口からイオンモール行き
シャトルバス(200円)でイオンモールまで行き、お参り後は表参道から
JR、京成駅へというコースもおすすめです。

空港を一望できる隠れた名所が「さくらの山」です。
もっとも、最近は結構雑誌やドラマで紹介され、
多くの人に知られるようになってきました。
なにも整備されていない、ただの丘だった頃から
密かに絶景を独占してきた私としては
少し残念、しかし嬉しい、複雑な心境ではあります。

県道44号線沿いにあり、空港の北端に隣接しています。
さくらの山と言うだけあって、多くの桜の木が植えられ、
お花見時期には大賑わいになります。
展望台からは空港のA滑走路側の全景が見えます。
季節の花が植えられ、とても良く整備されていて、
子供を遊ばせるにも十分なスペースがあります。

離陸前の旅客機が、こんな風に見えます。
ラッシュ時にははるか後方まで何機もの旅客機が並びます。
旅客機好きにはたまらない風景です。
離陸待ちの旅客機が数分間、着陸機を待っている時は10分ほど
優雅な機体を見せてくれます。

世界中のエアラインを見ることのできるさくらの山は
旅客機マニアの聖地です。
風向きによって、はるか先の滑走路の南側から
こちらに向かって離陸する旅客機を見る時と、
轟音とともに頭上を機体番号が読めるほどの近さで通過し、
数百メートル先にタイヤが煙をたてて着陸する旅客機を見る時がありますが、
私は頭上を通過される方が好きです。
離陸する旅客機が滑走路わきに待機し、くるりと機種を回して
エンジンをフル回転させて離陸して行く様子も
間近に見ることができるからです。

あと数日もすれば桜の開花が見られそうです。
ここ数日の強風に耐え、咲き誇る春を迎える準備は十分です。

ジェットの轟音と満開の桜の下ではしゃぐ子供の声が、
さくらの山に交差する日は、もうすぐです。
※さくらの山公園
県道44号線沿い。車で行かれることをお勧めします。
東関道成田インターから空港方面へ15分、国道51号線からは約20分です。
コミュニティバス(津富浦ルート・さくらの山公園下車)と、サークルバス
(ホテル間をつないでいます。マロウド・インターナショナルホテル下車、
徒歩10分)が京成成田駅東口から出ています。1時間に1本程度ですから
帰りの時間に注意が必要です。(片道200円)

成田山の表参道脇にひっそりと佇む小さなお堂があります。
最近整備されてすっかりきれいになりましたが、
それまでは高いブロック塀に遮られて、
参道からは屋根の一部がちらりと見えるだけでした。
薬師堂というのですが、実はこのお堂、大変由緒あるお堂で、
明暦元年(1655年)に建立された新勝寺の本堂だったのです。

その後本堂は三度建て直され、それぞれ建て直された年号から
元禄の本堂(現光明堂)、安政の本堂(現釈迦堂)と呼ばれ、
この薬師堂は明暦の本堂と呼ばれました。
現在の本堂は薬師堂から数えて四代目となります。
天慶三年(940年)に開山した成田山新勝寺ですが、
現存する本堂としては最古のものだそうです。
この薬師堂(旧本堂)には、水戸光圀公や初代市川団十郎も
参拝したと言われています。
成田山の境内からは離れた場所に移設され、
今はめっきり訪ねる人も少なくなりました。
御水舎にはいつ来るかも知れぬ参拝客を待つ龍が
静かに水を吐き出しています。

数段の階段を登った境内には足元の参道の賑わいは届きません。
忘れ去られたような薬師堂の境内を
柔らかな春の風が流れて行きます。
※薬師堂(明暦の本堂)
JR、京成成田駅から徒歩10分。
成田山表参道が二股に分かれるロータリーの左側。
なごみの米屋を過ぎ、京増の先、薬師堂のバス停が目印。