
長興院(ちょうこういん)は国道51号線沿いの伊能にある曹洞宗のお寺で、
山号は「亀鶴山」(きかくさん)、ご本尊は「十一面観音」です。
創建の年代は残念ながら分かりません。
昔は少し離れた横山村にありましたが、火災に会ってこの地に移ってきたようです。
天正十九年(1591年)には幕府から20石の朱印地を賜るなど、格式のあるお寺です。
延徳二年(1490年)に江戸崎城主・土岐原景成により創建された茨城県江戸崎の
管天寺の末寺になります。

国の重要文化財に指定されている山門です。
脇に成田市教育委員会の解説が書かれた柱が立っています。
『正面三間、側面二間の禅宗様の山門です。十二脚楼門で、屋根は入母屋銅板葺、
二層構造の階上部には高欄が巡ります。正面南北の虹梁には唐草の透かし彫りが
施され、主要部は欅材で、素朴な中にも重厚な門となっています。建築年代は
宝暦年代(十八世紀)と推定されています。』

小さな鐘が吊るされていました。


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詰組という工法で建てられていて、とても頑丈そうです。

以前は山門内に十六羅漢を祀っていましたが、今は本堂内に安置されています。

山門の右奥にある鐘楼


山門をくぐると左に観音堂があります。
文字が消えかかっていて良く読めませんが、「大須賀神社本地仏」とあり、
「明治十八年新造」と書かれています。
脇にある常夜燈は文政五年(1822年)に作られました。

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このお地蔵さまは端が欠けていて年代が分かりません。

平成21年の建立です。


このお地蔵さまは腫れぼったい目をしています。
どこかで見たような気がするお顔です。


屋根には曹洞宗の寺院で必ず見る竜胆車の紋が光っています。

山号の亀鶴山。


本堂の裏手の墓地には古い墓石が並んでいました。
延宝、貞享、元禄、宝永、宝暦、明和、安永などの年号が読めます。

境内は手入れが行き届いている感じです。

国道51号線からの参道の入り口に小さな結界石がありました。
曹洞宗のお寺には必ずと言って良いほどあるもので、戒壇石とも呼ばれます。
「不許葷酒入山門」と刻まれているので、曹洞宗のお寺を訪ねる時には
昼食にラーメン・餃子は禁止です。
祥鳳院の結界石 ⇒


けいだいに向かって大須賀小学校の門があります。
普段は使われていないようですが、以前はこちらが正門だったのでしょうか、
懐かしい二宮金次郎の石像がありました。


国道をほんの少し入っただけですが、境内は静かな空気が流れています。

※ 亀鶴山長興院 成田市伊能556
京成成田駅から千葉交通バス「佐原粉名口車庫」行き
伊能学校下下車 2分