
麻賀多神社は「稚産霊命(わかむすびのみこと)」をご祭神とする神社で、
応神天皇の時代に初代印波国造・伊都許利命(いつこりのみこと)が、
この地より少し離れた船形に創建したと伝えられています。
台方には推古天皇16年(608年)に移設され、それまでの船形の神社は奥宮となりました。
平安時代に記された「延喜式」に記載されている「式内社」で、
香取神宮と並ぶほどの格式の高い神社です。

印旛沼の周辺には麻賀多神社は多く存在しますが、ここ台方の麻賀多神社が本社、
船形にある麻賀多神社が奥宮になります。
麻賀多神社とは大変珍しい名前で、全国的にも印旛地区に集中しています。

本殿に上る石段の手前にある石灯籠には文政十一年(1828年)とありました。

手洗舎には宝暦九年(1759年)と刻まれた御手洗盤が置かれています。

祓戸です。
ご祭神は「瀬織津姫(せおりつひめ)」、「気吹戸主(いぶきどぬし)」、
「速秋津姫(はやあきつひめ)」、「速佐須良姫(はやさすらひめ)」と書かれています。


流造りの本殿は、寛文十三年(1673年)に当時の佐倉藩主松平和泉守が再建したもので、
市の指定文化財になっています。
拝殿前に並ぶ狛犬には迫力を感じます。




御神木の大杉は樹齢1300年と推定され、樹回り8メートル、高さ40メートルの
大木で、「公津の大杉」と呼ばれ、パワースポットとしても人気があるようです。


大杉の前には古峰神社、三峰神社、印旛国造神社、馬来田郎女神社が、
本殿横には幸霊神社、青麻神、猿田彦神社が並んでいます。



朱塗りの本殿軒下には兎や馬(?)の彫刻が見えました。

本殿の奥にある「天日津久神社」(あめのひつくじんじゃ)。
画家の岡本天明がここで啓示を受け、「日月神示」を書いたことで知られています。
石造りの新しいお社ですが、細かい装飾が施されています。

境内の一角にある神楽殿。
ここで毎年7月31日の大祭に獅子舞が奉納されます。


(麻賀多神社 ホームページより 獅子舞 ⇒ )
この舞は4~500年前から伝わっているもので、台方地区と下方地区が年番で、
その地区の直近2年間の内に結婚した新郎から舞手が選ばれます。
市の無形民俗文化財です。

神社の周りの森は県の指定天然記念物として環境の保全がなされていて、
アカガシ、スギ、ケヤキ、アカマツ、ヒノキ等がこの森を形成しています。


この神社の珍しい名前の由来は、古来よりこの地方が麻の産地であったこと、
そしてこの神社を創建した国造・伊都許利命が多氏一族の出であることから、
「麻の国で多氏が賀す神の社」という意味の「麻賀多神社」となったと言われています。
(麻賀多神社 ホームページ)
次回は船形の奥宮を訪ねます。

※ 麻賀多神社(台方) 成田市台方1
京成・公津の杜駅よりコミュニティバス「北須賀」ルート
麻賀多神社前下車すぐ