印旛沼の龍の尾を葬ったお寺です。


あちこち探し回ってやっと見つけました。
真言宗智山派のお寺で、ご本尊は釈迦如来、
「天竺山尊蓮院龍尾寺」が正式名です。
梵字が彫られた山門前の石碑には元禄七年(1694年)と記されています。
朱塗りの山門には何の飾りもありませんが、なかなか歴史を感じさせます。


手水舎に「弘法大師手鑿の井戸」から引いた水で、「目を洗ったり飲んだりするので、
水を汚さないように」という注意書きがありました。
龍が巻き付き、口から水を吐き出しています。
龍の伝説の寺らしい演出で、うれしくなります。


「龍尾寺板碑」です。
説明板によると、阿弥陀如来の文字が梵字で彫られています。
応安六年(1373年)の建立で、匝瑳市の有形文化財です。

手水舎の後方に古いお堂があります。
掲額の文字は剥げ落ちて読みにくくなっていますが、「薬師堂」と読めます。

裏手に回ると井戸がありました。
「弘法大師手鑿の井戸」です。
大同二年(807年)に弘法大師がここを訪れ、
その時に自ら井戸を掘ったと伝えられています。
以来、枯れることなく清水が湧き出しています。


弘法大師報恩塔がたっています。
台座には、寶作延長 国家安泰 五穀成就 萬民豊楽 と刻まれています。
昭和10年の建立です。


立派な構えの本堂です。
三つの龍伝説の寺の中では一番手入れが行き届いていて、
すがすがしい雰囲気です。
このお寺は和銅二年(807年)の建立と伝えられています。
その後火災で焼失し、平成8年に再建されたそうです。



本堂前の二つの灯篭に龍の彫り物がありました。
伝説の三つの寺を巡って来ましたが、やっと出会った伝説の主です。

本堂の右手に薬師堂より一回り小さいお堂があります。
掲額が無く、このお堂の名前は分かりませんが、長い年月を経てきたことが分かります。

格子の間から中を覗かせていただきました。
観音様でしょうか?
とても優しいお顔で、優美なお姿です。
ポツンとここに置かれているのはもったいないと思いました。


裏門の外に朱塗りの小さな祠がありました。
細かい龍の彫刻が施されています。
この龍尾寺は伝説の三つの寺の内、唯一“龍”をモチーフにした建造物がある寺でした。

龍角寺

龍腹寺

龍尾寺
龍角寺から龍腹寺へ、そして龍尾寺へと、小さな龍の伝説を追ってきました。
印旛沼から安食、本埜、匝瑳へと広がるロマン溢れる龍の物語が、
もっと広く知られるようになってほしいと願っています。

(佐倉藩士、渡辺善右衛門守由が記した「古今佐倉真佐子」にある「印旛沼の龍の伝説」)
水土里ネット印旛沼 http://www.inbanuma-lid.jp/ より転載
前々回の「小さな龍の伝説が結ぶ三つの寺(1)龍角寺」の最後にある印旛沼の地図と
見比べてみて下さい。 似ているでしょう?
※ 龍尾寺 匝瑳市大寺1856
総武本線八日市場駅から循環バス(豊和・椿海循環)大寺下車 2分
一説には丹を探して四国中を掘って掘って掘りまくったようですw
結果あっちこっちで井戸を作ってますね
ついでに88箇所のお寺(四国88箇所)を建てたとか。 実は何をしていたか
結構解らない人ですねw
確かに。
成田近郊だけでも「弘法の井」と呼ばれる場所が数か所あり、
全国では千数百ヶ所もあるそうですね。
掘り当てたと伝えられる温泉も数多く、尾ひれがついたり、
便乗があったりするのでしょうが、それだけ偉大な人物だった
ということでしょうか。