そのまま直進して西参道に入ると直ぐに気になる脇道があります。
以前から“どこに抜けるのだろう?”と気になっていたのですが、
今回はこの道を辿ってみます。

脇道の入り口は和食の「成毛屋」さんです。

向い側に別棟の「成毛屋旅館」があります。

成毛屋旅館の先、右側に「塚之越庵」の石柱が立っています。

敷地は新旧のお墓でいっぱいです。
寛政十二年(1800年)と記されたお地蔵さまがありました。
台座には○○童子、○○童女と彫られています。
幼くして亡くなった子供の供養のために建てられたのでしょう。

この供養塔には享和二年(1802年)と記されています。
お地蔵さまとほぼ時を同じくして建てられたわけです。

人通りの無いこの道は、静かで、なにか懐かしいような雰囲気です。

「七霊地蔵尊」がありました。
残念ながら由来は分かりません。
お地蔵様の奥は小さな墓地でした。


墓地の隅に傾いた犬の像がありました。
良く見ると「愛犬六の墓」と記されています。
家族に愛されて幸せな生涯を送った犬なのでしょう。
でも、もう訪れる家族はいないようです。

なにやら成田山周辺で見慣れた景色が現れました。

「発心院」は法資(ほっし)と呼ばれる仏弟子を養成する成田山の学院です。


「発心院」に並んで、「勧学院」「修智院」があります。
「勧学院」は真言宗智山派の教師養成機関、「修智院」は留学生の修行場です。
「発心院」「勧学院」「修智院」を「成田山三学院」と言うそうです。
中からかすかに太鼓の音が聞こえてきます。
この静かな環境は、学問に、修行に格好な場所でしょう。
この脇道は、いわば成田山の「学問の道」ですね。

「出世稲荷」の前に出ました。
この裏道はここにつながっていました。
出世稲荷にお参りした時は、長い階段を下りて成田山の境内を横切り、
さらに階段を下って仁王門、総門を過ぎて、表参道の坂を上り・・・と
ちょっとしんどい帰り道でしたが、この道を行けばポンと参道の坂の上に出られる
ことが分かりました。

思わぬお参りができ、得した気分で来た道を引き返します。

道端で猫の集会に出会いました。
5匹で議論中だったのですが、私の姿を見て2匹はそそくさと退席してしまいました。
残る3匹も“議論の盛り上がりに水を差された”と言わんばかりに不満そうです。

西参道に出ました。
ポストもレトロな脇道でした。