

いかにも古そうな石塔が入口の坂の下に立っています。
「右 あじき 龍○さ○(多分龍がさき)」「左 なりたさん」と彫られていて、
裏面には「西国 坂東 奉順禮供養塔」と彫られています。
多分、ここが成田山の裏参道の入り口にあたっていたのではないでしょうか。

細い急坂を少し上ると鳥居が見えてきます。

天正年間、秀吉の時代に殿台城主の馬場伊勢守勝政が建立したと伝えられていますので、
かれこれ400年は経っているでしょうか。
ご祭神は「大己貴(おおあなむら)神」です。


御神木のモミの木も樹齢400年と言われていますから、
建立のころからこの神社を見守っているわけです。


度重なる地震被害で社殿が傾いてしまったため、
平成10年に復元工事が行われました。


脇道の「へび供養塔」の陰から猫がじっとこちらを見ています。
“うさんくさいヤツだ”とでも言いたげに、身じろぎもせずに睨んでいました。


拝殿の後ろにある本殿は屋根の傾斜と曲線が美しい建物です。

裏の小高いところに石で作られたお社が並んでいました。
ここは小さな広場のようなところです。

出羽三山の参詣記念碑もずらりと並んでいます。
この地でも湯殿山、月山、羽黒山の三山への参詣は昔から盛んであったようで、
文政、嘉永などの年号が刻まれています。

「奉納 八幡宮」「洗手石」と彫られています。
文化十四年(1817年)の文字が読めます。

拝殿の左側には七つの神社が合祀されています。
写真手前から奥へ、琴比羅宮、愛宕神社、八幡神社、
白幡神社、石導神社、疱瘡神社、天満宮です。

疱瘡神社とは珍しい神社ですね。

石段を上ったすぐ左、七つ並んだ小さなお社の手前には「子安神社」の石塔があります。
台石には「土屋女人中」とあり、裏面には「大正十年九月再建」と彫られています。



拝殿の右側には石造りの「天照皇大神」があります。
朽ち果てた拝殿には、かすかに菊の紋章が見えます。


参道の脇には元禄元年(1688年)と彫られているお地蔵さまや
馬頭観世音の石碑が並んでいます。
文化とか文久とかの年号が読み取れる古いものばかりです。
一番奥は「へび供養塔」です。
あの猫はどこかに行ってしまいました。

この場所は殿台城の一角だったようですが、
周りは削られ、宅地化されていまはその面影もありません。
開発は必要ですが、自然や歴史的遺産との調和が大切です。

神社を建立した馬場伊勢守勝政が小田原の役で
徳川勢に討たれたのが天正十八年(1590年)。
それから400年経った今もなお、
「大宮神社」は土屋地区の鎮守として、この地に静かに佇んでいます。
※大宮神社 成田市土屋1331
国道408号線成田山裏門入口交差点から徒歩5分。
道標までは3分。
イオンモールからは徒歩7分。
石塔も歴史を感じます♪
猫の台詞が面白かったですw
ノラでもたいてい寄ってきます。
大宮神社の猫も、もう少し立ち止まっていれば寄ってきたと思います。
ちょっと急いでいたので残念でした。
この神社を建立した馬場伊勢の守勝正については、
あちこちで名前が出てきます。
なんとか調べてみようと思うのですが、ほとんど資料が見つかりません。
図書館の資料室に通って、貸出不可の資料を漁るしかなさそうです。
いつか彼の生き様を知りたいと思います。
コメントをありがとうございます。
大宮神社はこのブログを始めた頃に訪問しましたので、
今読み返して見ると観察が浅いところが多く見られます。
(いずれ再訪して、書き直したいと思っています。)
土屋の近所では、押畑の稲荷神社もお勧めです。
http://narita-kaze.jp/blog-entry-178.html