
仁王門は成田山を代表する建造物のひとつです。
この門の前に立つと、誰もが成田山に居る自分を実感します。
今回はこの仁王門を中心に、その周辺を見てみましょう。
まずは表参道の総門あたりから始めましょうか・・・

表参道から総門に入る手前に石塀が続きます。
以前はこの一帯全てを石塀が囲っていましたが、
新しく総門ができた時にその多くの部分が外されてしまいました。
寄進者の名前や家紋が刻まれた景色は、いかにも門前という風情でしたが、
今は一部を残すのみです。

「総門」は平成19年に建立されました。


2、3年は木の新しさが目について、何んとなく違和感がありましたが、
今は落ち着いた色合いとなり、成田山の雰囲気にすっかり溶け込んでいます。

仁王門へ向う石畳の、両側に並ぶ大きな灯篭の中に、
ちょっと変わったものが立っています。
ごつごつした火山岩を、ただ積み上げただけのようですが、
良く見ると“獅子が子を谷に落として這い上がって来るのを待つ”
という図が彫られています。
岩の上に親獅子が、“納”の字の下に子獅子がいます。

総門をくぐらず、向って左手に入ると「弁財天堂」があります。
建立の年代は定かではありませんが、元禄年間には既にあったとされています。

総門の陰に隠れ、目立たぬお堂ですが、成田山の境内では
一番古い建物です。

弁財天堂のさらに後ろには「大師堂」があります。

明治21年に再建されたお堂で、弘法大師をはじめ真言宗の高僧が祀られています。

総門をくぐり、左に目をやると「御護摩受付所」という大きな建物が見えます。
その一角に「納札所」があります。
お世話になった、お守りいただいたお札をお返しするところで、
お礼の浄財とともに納めると、センサーが働いて自動的にコンベヤーが
中に運び込んでくれます。
お寺と自動コンベヤーとは面白い組み合わせですが、
参詣客が多い成田山ではの知恵でしょう。


仁王門に登る階段の右手に手洗舎があります。
何十回となくこの場を通っていたのに、
今回初めてここに手洗舎があることに気付きました。
あまりに当たり前の風景なので、目に留めることが無かったのでしょうか。
「釈迦堂に棲む鬼」に書きましたが、
私は成田山の手洗舎は釈迦堂の前にしか無いと思い込んでいました。

仁王門への階段を上らずに右に行くと、「成田山東門」があります。
門の後ろに見えるのは「成田山水行道場」です。

一旦外に出てみると、門の手前に洲之崎稲荷明神がありました。
目立たない場所ですが、きれいに掃き清められています。

水行道場の裏には「成田山参籠道場」の看板が掛った建物があります。
この一角は修行場が集まっているようです。

東門側から見る総門はまた違った趣があります。

さて、いよいよ「仁王門」への階段を登ります。
仁王門は文政十三年(1830年)に建立されました。
“魚がし”と書かれた大きな提灯は、昔から魚河岸が奉納してきたもので、
現在のものは昭和43年に奉納されました。

仁王門の左右には仁王様が怖い顔で立っています。
頑丈な金網で囲まれていますが、隙間からお顔を拝見してみます。

右に立っているのは那羅延金剛(ならえんこんごう)で、
口は“阿(あ)”と開いています。

左に立っているのは密迹金剛(みっしゃくこんごう)で、
口は“吽(うん)”と閉じています。

多聞天(たもんてん)は裏側の左に立っています。
人々に福徳を与えます。
私はこの多聞天の凛々しい中に深い思いやりが感じられるお顔がとても好きです。

右に立っているのが広目天(こうもくてん)で、人々に仏心を起こさせます。
那羅延金剛、密迹金剛、多聞天、広目天の四体は、
境内の入り口で伽藍の守護を担っています。

仁王門をくぐってさらに大本堂への階段を登りますが、
階段との間に亀がたくさんいる仁王池があり、太鼓橋がかかっています。
池の中央には亀の形をした島が作られていて、亀が甲羅干しをしています。

橋を渡ってすぐ左に狭く急な石段があります。
ここを登る人はほとんどいませんが、ちょっと登ってみます。

「こわれ地蔵尊」という珍しい名前です。
御本尊は倶梨伽羅不動明王です。

何度修理しても壊れてしまうことから付いた名前だそうで、
なるほど、小さなお堂なのに土台が傾き、ヒビも入っています。

階段を慎重に下りて仁王門の後ろを横切ると、「開運地蔵尊」があります。
両手を合わせて頭を下げて祈る老婦人がいました。
こわれ不動尊に登る前からその姿勢でしたから、ずいぶん長いこと祈っています。
お年からしてご自分の開運ではなく、
息子さんか娘さんの運が開けるように、お願いしているのでしょう。
カメラを向けるのは憚られる雰囲気でした。

老婦人が去った後、お地蔵様のお顔を覗かせていただきました。
ふくよかなお顔のお地蔵様です。
今さらですが、私もちょっとお願いしてみました。

お地蔵様の前に灯台のような大きな石の建造物が立っています。
正面に石工灯明講と彫られているので、灯明台のようです。

寄進者の名前でしょうか、大勢の名前がはめ込まれている中に、
市川団十郎の名前を見つけました。


総門から仁王門を経て、大本堂までの階段を登る僅かの距離ですが、
ゆっくり見まわすと実にいろいろなものが見えてきます。
いつもはお参りに気を取られて、通り過ぎてしまう場所でしたが、
今回はいくつもの発見がありました。
※成田山新勝寺 成田市成田1番地
JR,京成成田駅から表参道を徒歩約10分。
沢山の写真と詳しいコメントがあって、何だかその場所に
行った気になる素敵なブログですね。
成田は空港しか行った事がないのですが、今度千葉エリア
にも挑戦してみようかな?(自分は埼玉ですw
これからもよろしく!です。
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