
LCC専用ターミナルとして4月8日にオープンした第3ターミナルは、本館と搭乗ブリッジの
あるサテライトからなり、延べ床面積は約66,000㎡あります。
年間発着回数を5万回、年間旅客取扱可能人数は750万人を見込んでいます。

空港の外から見える第3ターミナルのサテライトへのブリッジです。

まだ周りの整備ができていないので、この景色がこれからどうなって行くのかは分かりません。



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同じ場所からの昨年8月の景色です。
8ヶ月後にはオープンしているのですから、急ピッチの工事だったようです。


急速に拡大するLCCですが、特に成田空港ではLCCのシェアが急増していて、今年の夏の
ダイヤでは発着回数のシェアが24%を超え、国内線だけを見ると約70%にもなる予定です。
もともと国内路線の少なさが問題とされていた成田空港ですから、70%といってもまだまだ
少ないのですが、それにしても急速な伸びです。



第3ターミナルへは第2ターミナルから連絡バス、または徒歩で向かいます。
一般車両が直接第3ターミナルに行くことはできません。
連絡バスは5~12分間隔で約10分の移動です。(第3から第2へは5分)


バスを降りるとエスカレーターで2階へ。
狭い通路をちょっと進むと、第3ターミナルビルの入口です。



さすがに電光掲示板の便数も少なく、カウンター付近にたむろする人たちも少ない感じです。

ジェットスターのカウンター。
ジェトスターの成田における発着回数は、国際線が週に32回、国内線が週414回です。
国際線はオーストラリアのメルボルンに本社がある、カンタス航空系のジェットスター社が、
ケアンズ、ゴールドコースト、メルボルンへの便を飛ばしています。
国内線はカンタス、日本航空、三菱商事、センチュリーリースの出資によるジェットスター・
ジャパン社が、札幌、関西、高松、松山、福岡、大分、熊本、鹿児島、那覇と結んでいます。
なお、ジェットスター・ジャパン社は6月から香港便をスタートさせます。

バニラエアは国際線が週84回、国内線は98回となっています。
国際線は台北、高雄、香港、国内線は札幌、那覇、奄美大島と結んでいます。
設立以来、曲折がありましたが、現在はANAホールディングスが全株式を取得しています。

スプリング・ジャパンは国内線のみで、週50回です。
「春秋航空日本」が社名で、中国の春秋航空が筆頭株主。
国内線のみの運行で、広島、高松、佐賀を結んでいます。
隣に見えているのは韓国のチェジュ航空で、ソウルとの間で週28回の発着となっています。
なお、有力なLCCのひとつであるピーチ・アビエーションは、全日空が筆頭株主であり、また、
グランド・ハンドリングを全日空に委託していることから、第1ターミナルを使用しています。





コンビニや書店など、7~8軒の店が並んでいますが、第1、第2ターミナルのような高級品
を扱う店はありません。
通路が陸上トラックのような感じがします。
これは行き先を分かりやすくする工夫であると同時に、案内板を少なくする(設置費の節約)
ためだと聞きました。

鉄道やバスの発券所があります。

国内空港では最大のフードコート。
450席があり、出店しているのは7店舗で、寿司、うどん、中華、ファストフード等、一通り
は揃っています。


フードコートの先は、もう出発ゲートです。
ゲート脇にあるお土産店も、地方空港のような名産品やお菓子類がほとんどです。


天井は配管が剥き出しです。
これも建設費を抑えて、航空会社の利用料を安くするための苦肉の策なのですが、これは
これで、なかなか味があるデザインだとも思えます。

アナウンスがあり、乗客が出発ゲートへと向かいます。
見ていると、思ったより中高年の方や外国人が多いようです。

通路に置かれているベンチは普通のものより幅が広く、ここで時間待ちの旅客が横になれる
ような配慮をしています。



帰りは第2ターミナルまで歩いてみます。
通路は曲がりくねっています。
歩くと15分はかかりますので、途中に何ヵ所か休憩用のベンチが置かれています。

第2ターミナルのすぐそばにある第3ターミナルですが、既存の建物や施設の間を縫って
通路が設けられてるため、大きな荷物を持っての移動はちょっとしんどいようです。
LCCが安い航空運賃の実現を狙うために行う工夫と同様に、施設を提供する側の成田空港
も智恵をめぐらせていることが良く分かります。
羽田の国際化が進む中、成田の地盤沈下が心配されていますが、この第3ターミナルが
旅客であふれるようになり、成田空港の再飛躍の起爆剤となることが期待されています。