
朝9時過ぎには市役所前の駐車場には
市内の各町内からの山車や屋台が集合しています。

繊細で華麗な彫刻や装飾で飾られた山車(だし)の上には
歴史上の人物やその町にゆかりのある人形が乗っています。

明治33年に製作された成田最古の山車の上には神武天皇が乗っています。

こちらは日本武尊(ヤマトタケル)です。

人形の大きさはそばにいる人物を見ていただければ分かると思います。
出発前の調整をしていますが、大きいだけに大変そうです。

山車と屋台のデモンストレーションが始まりました。
こちらの山車の上ではお囃子に合わせて狐が踊っています。
後ろの人形は藤原秀郷(俵 藤太)です。


各町内の山車や屋台が順番に賑やかなお囃子を演奏し、
若衆が屋根に上って踊ります。

デモンストレーションが一巡すると、参加者全員による「総踊り」です。
お囃子に合わせて若衆が掛け声も勇ましく扇子片手に踊ります。

いよいよ「曳き回し」の始まりました。
18台の山車と屋台が次々と市役所前を出発して行きます。


曳き回しが始まるとバランスを考えてか、人形を屋台の中に
しまうこともあるようです。
中を見たことはありませんが、歯車を利用した昔からの技術で
人形を上下させると聞きました。



小一時間もした頃、表参道をJR成田駅に向かう山車や屋台が次々に現れました。


特等席を見つけました。
お腹が空いて入ったレストランの大きな窓から
次々に通って行く山車が間近に見えます。

曳き回しの最大の見せ場は、成田山総門前から薬師堂前までの坂を
一気に駆け上るところです。
曲がりくねる坂道を登るには相当の力と技術が必要です。

最後の難所、薬師堂前の三叉路を駆け上がります。

ようやく登り切りました。
屋根の上の若衆も、立ちっぱなしの八幡太郎義家公も、
ほっと安堵の瞬間です。


続々と山車と屋台が駆け上ってきます。
山車は市役所前から電車道(かつて成宗電車が通っていた道)、山門前、表参道、
JR成田駅を巡る約2キロの行程を3周します。

山車や屋台が通過した後にはくっきりと車輪の跡が残っています。
何トンもの車が通過するのですから、道路の白線も削られてしまいます。

巡行コースの最後、JR成田駅から市役所前に戻る下り坂です。
ここには観客はほとんどいません。
山車や屋台の“関係者”だけが、一周終えた安堵と疲労感を漂わせて
曳いて行きます。
成田太鼓祭り、成田山車祭りと2週続いた大きな祭りはここで一段落。
7月始めの成田祇園祭りを皮切りに、9月初旬の宗吾御待夜祭まで、
市内の各所で夏祭りが続きます。
※成田・山車祭り
成田市の市制施行60周年を記念して行われました。
第1回は市制50周年、2回目は55周年と5年おきに
開催されています。
今回は、山車が囲護台、幸町、田町、土屋、仲之町、成田山、
花崎町、本町、飯田町、台方・下方、並木町、ニュータウン、
屋台が東町、上町、寺台、宗吾、三里塚、本三里塚の計18台。