


「成田観光館」は表参道の台の坂の真ん中、鰻の「川豊」の向かいにあります。
昭和63年の開館で、蔵造り風のデザインが参道でも目を引く建物の一つです。

1階のエントランスでは大型スクリーンに成田の観光案内が映し出され、インターネット端末も
数台設置されているので、外人観光客が操作する姿をよく見かけます。
受付では成田に関する種々の案内や相談を受け付けていて、パンフレットも揃っています。
(受付に断れば館内の撮影はOKです。)


見学はエレベーターで3階または2階に上がって、1階に下りてくる順路になっています。
3階はイベント室と展示室になっていて、数々の催しが行われます。
2階に下りると2枚の錦絵が目に入ります。


初春の成田詣図(2代目国貞)


御礼参り贔屓船之図(3代目豊国)
これを見ると、昔から成田詣は庶民にとっての一大イベントだったことが分かります。

2階のフロアの真ん中には、昔の成田詣での道中風景がジオラマになって展示されています。
川越し客の奪い合い


大絵馬奉納の船旅


人馬の交換風景




馬で行くも良し、駕籠に揺られて行くも良し。
古い写真や絵も沢山展示されています。

昭和13年の薬師堂前

昭和13年の成田停車場

成宗電車(成田と宗吾霊堂間を走りました)

甚兵衛渡しの風景

大正初期の宗吾霊堂前停車場

軽便鉄道の機関車(三里塚~八街間を走りました。成田~多古間も走っていました。)

昭和20年ごろの木炭バス(成田幼稚園の遠足)

明治36年の成田線喫茶列車(我孫子~成田間)
広重の道中風景



似たような風景がジオラマの中にありました。


江戸時代の成田山です。
台の坂は滑り止めの木材が敷かれていました。
神明山は「アタゴ社」と書き入れられています。
この絵の本堂は現在の「釈迦堂」でしょう。

2階はこんな感じです。

神武天皇(仲之町)

祇園祭で曳き回される山車が展示されています。
展示場所が吹き抜けになっていて、2階から見ても見上げる角度になります。

1階へ下りる階段の壁面には、成田山のポスターが貼られています。


千葉県指定の伝統的工芸品の「下総鬼瓦」と、江戸時代の獅子頭(長谷川権頭藤原政義作)

山車は傍で見るとさすがに迫力十分です。
これを曳いて台の坂を上るのは大変でしょう。
大きなショウケースの中には、山車に載せられていた人形が飾られています。

将門調伏を命じた朱雀帝




外に出ると表参道台の坂は、参拝客の足音、店の呼び込み、鰻を焼く香ばしい煙で、いつもの
賑やかな日常がありました。
参拝の途中で、休憩がてらにちょっと立ち寄ってみてはいかがですか?
※ 「成田観光館」 成田市仲町383-1
JR・京成成田駅から徒歩約15分
入館無料 休館日月曜日(祭日の場合は翌日)、12月20~31日
10月~5月 9:00~17;00
6月~9月 10:00~18:00