
多くの見物客の見守る中、2日目の本祭りが始まりました。
表参道では見物客が各町内の山車や屋台を追いかけて右往左往しています。

山車を小さな女の子達が先導します。

手古舞(てこまい)と呼ばれ、錫杖で地面を叩きながら歩きます。


昨日からの雨空がまだ続き、時々小雨がぱらつくあいにくの天気ですが、
威勢の良い掛け声とお囃子で山車が参道を進みます。
屋根の上の若衆は、提灯に代えて赤い番傘を差しました。
これはこれでなかなか決まっています。

以前紹介した、参道名物「甘太郎焼」です。
10×8列の焼器が通りに向って2つ、奥に2つあり、
一人で右に左にと踊るように焼いて行きます。
手前に行列ができていて、この行列が途絶えることがありません。
いつもは窓の外から覗きこむ人がいっぱいいて、シャッターを切るのは気が引けるのですが、
山車が通り過ぎた一瞬の奇跡的瞬間でした。


次々と山車や屋台が通過して行きます。
参道はもう身動きが取れないほどの見物客です。
浴衣にたっつけ袴、パナマ帽姿は町内の「だんな衆」と呼ばれる役員です。

時々雲が切れて晴れ間がのぞきます。
でも、山車の人形はいつ降りだすか分からない雨のため、今日も顔を出せません。

見物客に気をつけながら角を曲がり、進んで行くのは大変な作業です。
お酒が効いてきたのか、それとも朝からの重労働のせいなのか?、
力いっぱい綱を引いても、足元がふらつき始めて(?)います。


いつまでも雲行きが怪しく、シートは外したものの、どうやら今日も一日山車の人形を
立てることはできそうもありません。
お囃子もイマイチ盛り上がりません。

御神輿の担ぎ手の背中にも疲労感が漂っています。
「エイサッ、エイサッ」の掛け声も枯れてきました。

引き手や屋上の踊り手が疲れ気味なのに、屋台の中のお囃子連は
どうやらこの時間になって調子が出てきた様子です。
お囃子は仲之町、本町、交道会(成田山)の3台が江戸囃子、田町、土屋、花崎町、囲護台、
幸町、上町、東町の7台が佐原囃子です。
二種類のお囃子があるのは全国的にもめずらしいと言われています。

鐘楼が6時の鐘を鳴らす頃、奥之院にはまだポツポツと御参りする人がいます。
出口から覗いてみると、皆小さなロウソクを大日如来様に献灯し、
拝んだ後にそのロウソクを持ち帰ってきます。
ご利益を家まで運べるというわけですね。


夕闇のなか、山車や屋台が引き上げても、子供たちにとってはこちらの“夜店屋台”が主役です。
今はどの夜店屋台も携帯発電機で電灯を点けていますが、
私の小さい頃は、夜店・屋台はカーバイトでの薄暗い明かりでした。
カーバイトの匂いがする屋台を、夜更けまで大っぴらに遊べるお祭りが大好きでした。
今も昔も子供たちにとってお祭りとは、夜店・屋台の間を駆け回る“夜遊び”なのですね。

夜も更けて人通りも少なくなってきました。
「暫」と得意の見得を切って通りを睨んでいる市川海老蔵さんもお疲れ様です。
※ 明日は3日目の後宮の様子です。